目次
日本茶の魅力
「お茶の一服」には、お客様をお迎えする生活様式の側面と、茶の湯の世界の様式の側面があり、歓待し、同時にお客様に一息ついていただくために、心を込めておいしくお出しできたらいいですね。
お客様はもちろんですが、ご自分へのご褒美としても「美味しい日本茶の淹れ方」をマスターして日常をより豊かにお過ごしください。
目次
*お茶とお茶菓子
*お茶のいれ方【日本茶・玉露・ほうじ茶】
*お茶をお出しする順番も大事です【上座下座】
お茶とお茶菓子
お客様をお迎えする時に気をつけたいことは、現代はさまざまなアレルギーを持つ人も多く、事前に把握できるようであれば、さり気なく伺えたら良いと思います。季節や人数、年齢などに配慮して、飲み物や食べ物を準備しましょう。
ペットボトルのままはNG
暑い日に冷たい飲み物が切れていた!そんなこともありますね。コンビニで冷たい飲み物を買い、そのままお出しするのは基本的にはマナー違反。せめてグラスに注いでお出ししましょう。また、お手拭き(おしぼり)はさり気ない心づかいが込められた日本文化です。季節によって温かいものや冷たいお手拭き(おしぼり)をお出しするのも喜ばれます。
手土産をお茶菓子として出す場合は…
手土産をいただいたら両手で受け取り、感謝の言葉を伝えます。その場に置きっぱなしは失礼になるので、タイミングを見計らって別室に運びましょう。そしてケーキなど日持ちのしない生菓子は「おもたせですが…」とひと言添えてお出しするようにしましょう。
お菓子が先で次にお茶を出すのが正式ですが、自宅の場合は同時でかまいません。
日本茶は、湯のみと茶托は別々にしてお客様にお出しする直前にセットします。湯のみの絵柄が正面になるようにして、両手または右手で丁寧にお出ししましょう。
日本茶のいれ方
お茶を出すときには、美しい所作や美味しいいれ方を心得ておきたいものです。お茶はとてもデリケートですから、お湯の温度には特に気をつけたいもの。日本茶を美味しくいれるための工夫や手順を習得し、丁寧なおもてなしを心がけましょう。
お湯の温度が味の決め手
美味しいお茶はお湯の温度が大事です。「湯冷まし」などを利用する、日本の奥ゆかしさを感じるお道具もあります。丁寧に心を込めて美味しいお茶をお出ししたいものです。
【煎茶】➡やや高温のお湯で(お湯の温度:上級煎茶は80℃普通煎茶は90℃から100℃で30秒)
煎茶の場合は、お茶茶碗に直接お湯を入れ、湯量をはかりましょう。同時に茶わんを温める効果があります。せっかく美味しく淹れても茶わんが冷たいと、お出しする前に冷めてしまいます。茶わんに入れたお湯を急須に入れ、一度に注がず3分の1淹れたら次の茶わんへ。交互に繰り返しまんべんなく回し入れるようにしましょう。
【玉露】➡低温でゆっくり(お湯の温度:50℃で約2分)
玉露はお煎茶よりも更に温度が低いため、湯冷まし(なければマグカップのようなものを用意)に一旦お湯を入れ、それから茶わんにそのお湯をうつし注ぎます。茶わんを温めると同時に、お湯を冷ましていくのです。少し冷めてきたのころあいを見て、急須にそのお湯を入れ2分蒸らしてからゆっくりと入れましょう。いっぺんに淹れてしまうのではなく、交互にまんべんなく回し入れてください。
【玄米茶・ほうじ茶】➡高温で芳ばしい香りを(お湯の温度:95℃で30秒)
玄米茶・ほうじ茶は熱いお湯に限ります。ポットから直接急須に入れてOKです。芳ばしい香りをお楽しみください。
どのお茶も、最後の一滴まで絞り切ることが美味しくいれるコツです。適切な量をはかることも大事なポイント。是非お試しください。
お茶を出す順番も大事です【上座下座】
上座下座の考え方
~床の間がある場合~
上座…床の間を背にして座っているところ
下座…床の間を正面に一番遠いところ
~床の間がない場合~
上座…入口から一番遠いところ
下座…入口から一番近いところ
お茶を出す順番は、上座の方から順にお出しします。床の間に近い方からはじまり、入口に近い方の方で終わるようにするとスムーズです。お茶碗の絵柄がお客様の正面に来るように置きますが、お出しした後、一瞬動きを止め、心を込めてからすっと手を離すとより美しくなります。
農家では横座?
上座下座の他に、横座があります。土間から見たときの囲炉裏の奥。時代劇でご覧になったこともあることでしょう。これは農家などではよく見かける光景ですが、神棚のある方、茶の間の奥に家長が座ります。横座では、入口から近い方がお客様の位置になっています。先ほど述べた上座下座の考え方と少し変わってきます。一家の主の場所という風習も今では薄れてまいりましたが、古い家にお邪魔する場合には、その家のしきたりにならいましょう。
近頃では、温泉旅館などの和室のときも、レディーファーストを意識してなのか、女性が上座に座ることも多くなりました。その家庭での在り方で自由になっていいと思います。けれど、尊敬や敬う心が上座下座には反映されてきた歴史があることを、心にとめておいていただきたいな…と思っております。
日本茶は、淹れ方ひとつで「美味しさ」が格段に変わります。せっかく上級なお茶をいただいても淹れ方が間違っていたらもったいないですね。ひと手間かけてゆっくり丁寧に淹れたお茶は心が落ち着きます。ホッと一息できる時間は、心豊かに過ごせる大事な時間です。是非お試しください。
新潟のマナースクール「マナクル」
なでしこ和美人越後代表 前山豊子
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