日本の接客の素晴らしさは「おもてなしの心」。そして、その心構えにあると私は思っております。お客様に直接応対するかどうかに関わりなく、何ごとにもおもてなしの心がまえを持って日々の業務にあたる必要があると思います。目の前にお客様がいない場合、例えば電話やメールで予約をお伺いするような場面においても大切な心がまえです。ここでは18のポイントとしてあげてみました。一緒に見ていきましょう。
「おもてなし」の心がまえ18のポイント
1 感謝の気持ちとお客様をおもてなしする心を持とう!
「数多くあるお店の中から、私どもを選んでくださり、ありがとうございます」という感謝の気持ちと、その上でお客さまを「お迎えする」「おもてなしする」心を持ちましょう。
2 会社またはお店の代表としてお客様をおもてなしする仕事に誇りを持とう!
こまやかな気配りとスピーディーな対応が要求されるやりがいのある仕事についていることの自覚と誇りを持ちましょう。また、「自分」の仕事ぶりが会社に対するお客様の評価に大きく影響するということを強く意識して業務にあたりましょう。特にお客様と最初に応対する窓口業務はもちろん、お店での接客や電話応対などは、いわゆるその会社の「顔」である意識を持つことが重要です。
3 いつでも5S「シンシアリティー」「スマート」「スタディ」「スマイル」「スピーディ」を忘れないよう心がけよう!
おもてなしは、「心がまえ」や「スローガン」だけではお客様には伝わりません。言葉や態度、日々の行動として表すことで、初めてお客様に伝わることを忘れないようにしましょう。
4 心のゆとりを持ち、笑顔でおもてなししよう!
お客様のご満足は、接遇する側に心のゆとりと笑顔があってこそです。そしてこの「心のゆとりと笑顔」は、サービス業、接客業、ホテルや旅館業務などに必要な基礎知識と接遇技術について、ある程度自信がついた時に自然と持てるものです。スタッフの心にゆとりがなく、眉間にシワを寄せた状態では、たとえ一生懸命つとめたとしても、お客様の心は和まないのです。
「心がまえ」「身だしなみ」「立ち居振る舞い」「言葉づかい」「基本的な業務と流れと手順」等について一日も早くマスターするよう努力しましょう。
5 お客様の立場に立って考え、行動するよう心がけよう!
お客様が直接言葉に出されなくとも、望まれていることを敏感に察し、先回りしてさり気なくしてさしあげるサービスこそが「おもてなし」の真髄であり最終目標です。それには*「気づき」*「気働き」がポイントになります。くれぐれも、自分の言い訳をしたり、自分の会社の都合を優先させてお客様に接することがないよう注意しましょう。
*「気づき」…お客様のお気持ちを察すること
*「気働き」…とっさの機転をきかして考え、行動すること
6 どの係も毎日の準備作業を怠りなく実行しよう!
「備えあれば憂いなし」は、あらゆることに通用する名言です。どの部門で働くスタッフもマンネリに陥らず、いろんな起こりうる出来事を想定し、心の準備をしておくことがミスを防ぎます。
7 ゆったり気分転換したいというお客様のお気持ちに正面からお応えしよう!
日常の疲れを取りたい、気分転換したいというお客様のお気持ちに応えるために、最良の時間をご提供するという心がまえでおもてなしをしましょう。
8 日本の伝統文化をお客様にご紹介する気構えで仕事に当たろう!
和食料理店や旅館などでは、しっとりとした「和」の空間、日本の伝統文化を今に残す日本旅館を、お客様に十分ご堪能いただきたいという気持ちを持って業務に当たりましょう。そのためにもまず、自分の身だしなみ、立ち居振る舞い、言葉づかいなど、日々気を配り向上していきましょう。
9 マニュアルの効用と限界を理解しよう!
マニュアルには、基本的なことが書かれており、それらをマスターすれば「標準」レベルのサービスは提供することができます。しかし、それだけではお客様に十分ご満足いただき、高い評価をいただくことはできません。マニュアルに書かれていないことを、さり気なくして差し上げる(マニュアル+真心を添える)ことがポイントなのです
10 公平さと同時に柔軟なサービス提供を心がけよう!
すべてのお客様に対して公平に接すること。相手によって態度を変えたり、サービスに差をつけたりといった「差別」はタブーです。ただし、お客様それぞれの状況により、その場その場に合ったサービスを提供することはとても重要です。臨機応変はたくさんの経験から生まれます。日々コミュニケーション力を鍛え、お客様のお気持ちに添えるサービスを心がけましょう。
11 お客様からのご質問にはいつでも答えられる準備をしておこう!
ホテル、旅館業なら、館内の施設・サービスのみならず、周辺の観光情報、その日の天気、最寄り駅までのアクセスなどいつでも答えられるように、また情報をスタッフで共有しましょう。
商品についてもお客様の知りたい情報や役立つ情報を常に意識して学び、いつたずねられても的確にお答えできるように準備しておきましょう。
12 お客様との約束事は必ず守ろう、できれば期待以上のスピードと内容で!
言うまでもないことですが、お客様との約束事は確実に守り、きちんと実行しましょう。できればお客様の期待を上回るレベルで。
13 お客様の安全・衛生は責任を持ってお守りしましょう!
飲食店はとくに、食中毒や感染症に対する備えが必要です。コロナになりあらゆる業種の店舗は感染症対策が不可欠になりました。これまで以上に注意が必要です。また、日本は地震大国。災害も年々多くなっています。お客様の身の安全を第一に考えるとともに、日頃から防災訓練など実地しておく必要があります。
14 おもてなしには連携プレーが欠かせないことを常に意識しよう!
お客様にご満足いただくには、スタッフ間の連携プレーとチームワークが欠かせません。従業員同士、ふだんから風通しのよいコミュニケーションを心がけましょう。会社の空気はお客様にはすぐにわかってしまうもの。温かい雰囲気でお客様をお迎えいたしましょう。
15 業務関係先に対する感謝の気持ちを忘れないようにしよう!
「おもてなし」は、取引業者の理解があってはじめて成り立つことを肝に銘じ、「パートナー」に対する感謝と敬意を忘れないようにしましょう。
16 「明日から直せばよい」はお客様には通用しない!
スタッフにとってささいなミスは、「明日から気をつければよい」で済むかもしれませんが、お客様にとって「明日」や「次回」はすぐには来ません。場合によっては、一生に一度の機会かもしれないのです。一期一会の思いで、目の前にいらっしゃるお客様にご満足いただくことに常に集中しましょう。
17 「マイナスの口コミ」のこわさを知ろう!
不幸にして、お客様にご満足いただけなかった場合、「マイナスの口コミ(悪い評判)」が広まることがあります。最近は、インターネットの普及により、投稿はまたたく間に全国、全世界を駆け巡り、昨日までの最高のお店も、一夜にして「最低のお店」になりうることを忘れてはいけません。苦情処理は速やかに!真心とスピードが鍵です。
18 お客様からの感謝のひと言を働きがい、生きがいとしよう!
お客様がお帰りになる時の「いい旅だった」、また「ありがとう」という笑顔は、働いているものすべてに勇気とやりがいを与えていただけます。自分自身にとってのエネルギー源とし、明日への活力といたしましょう。
働くよろこびを感じて
私たちは生きていくためにお金が必要です。生きるために働かなければなりませんが、間違えないでいただきたいのは、「働くために生きているのではない」ということを理解していただきたいのです。
「生きること」が一番重要なのです。そのためには仕事というのは、私たちに様々なことを教えてくれます。職場は仲良しクラブでもなければ、婚活の場でもありません。生きるために必要なお金をいただく場所です。友人や家族が嫌いなら、距離を置くことで解決しますが、職場では自分の好みの人ばかりではありません。取引先、お客様、上司、同僚。自分では選べません。ですが、それもあなたが引き寄せたご縁なのです。自分の心の状態や、ものの見方、考え方、身だしなみ、言葉づかいなど、今のあなたに必要なご縁がやってきていることを意識しましょう。あなたがそこに気づき、感謝をもてるようになったなら、素晴らしいご縁に導かれ仕事にもやりがいが生まれることでしょう。
三者ハッピーの法則
お客様も自分も、そしてそれを見ている人さえも幸せになる、これが三者ハッピーの法則。働いていれば、いろんな事がおこります。けれど、その原因はちょっとした気づきがなかったり、思いやりにかけたことがほとんどです。相手を心から笑顔にしましょう。そのためにもあなた自身が幸せでありましょう。小さな幸せを集めましょう。あなたはあなたが思っている以上に、もう既に幸せなのです。
心からのおもてなしは、必ず相手に届きます。そしてみんなを笑顔にします。あなた自身にもそれは喜びとなって返ってきます。
自分が幸せになりたければ、他者を幸せにしましょう。働けることに感謝して。
新潟のマナースクール「マナクル」
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「マナクル」代表
前結び着付け 師範講師
なでしこ和美人越後代表 前山豊子