こんにちは。
新潟のマナースクール「マナクル」前山豊子です。
突然ですが、あなたは自分の食べ方に自信がありますか?人からどんな風に見られているか、想像したことがありますか?
私は自信がありませんでした。生まれ育った家も貧乏で、とてもお嬢様的な教育など受けることはできませんでした。けれど、昔の人は「お箸の使い方」には厳しかったので、何とか箸づかいはまあまあできていたかな?という程度でした。
そんな私は今、着付け講師となり、生徒さんや先生方とお食事をする機会も増えました。そしてお着物ですとやや高級なお店に行きたくなるもの。着物という衣装の力かもしれませんね。美しい着物を纏い、美しくありたいけれど、さあいざお食事の場面になったら、普段の生活が実は出てしまいます。そこできちんとした食事のマナーを習いたい!と思ったのが、マナー講師になったきっかけでした。
残念な立ち居振る舞いや、あまり美しいとは言えない食べ方では、魅力も半減。もったいないと思いませんか?
また、お料理には職人さんのこだわりや、お料理への思いが込められています。高級になればなるほど丁寧に一皿一皿、小鉢も焼き魚も、そこに「おもてなし」があるものです。
なのに食べる側がその思いも感じることなく、粗末に食べてしまうことこそ「マナー違反」だと私は思います。
品格を備えるのは生まれた環境ではありません。
男性も女性も、ぜひ美しく丁寧な食事マナーで、本物の品格を身につけてください。
それでは、誰もが幸せになる「基本の食事マナー」を一緒に見ていきましょう。
目次
美しい食べ方の基本
顔を下げすぎない
食事で一番大事なことは、同席者との会話を楽しむこと。その場の空気を壊すことなく、食事と会話を楽しむのが一番のマナー。ですが、作法にばかり気をとられ、お料理ばかり見ていませんか?
お料理を見るときは「目線を下げる」だけで十分。お顔は上げて、お相手の目を見ての会話を心がけてみてください。お料理をのぞき込むように見ては、姿勢も悪くなります。背筋を伸ばし、お顔を上げましょう。すると、視野も広くなり全体の調和もとりやすくなりますね。
食事会は情報交換、交流の場です。楽しい素敵な時間にいたしましょう。
一口サイズを意識する
忙しい現代では、急いで口いっぱいにパンやご飯を詰め込むように食べてしまう癖がついてしまっている人もいるかもしれません。あなたは一回にどれくらいの量を口に運んでいますか?意識したことはあるでしょうか。
一番美しく食べるための一口サイズの目安は、和食のお造りや筑前煮などの煮物などをイメージしてみましょう。大きいものは小さく切ったり、たたんだりして丁寧に口に運ぶ姿は、上品さと奥ゆかしさが漂い、あなたの魅力がアップすることでしょう。
また、それくらいの量は咀嚼にも時間もかからず、会話にも支障を与えずに済みますね。
会話を大事にするあなたの美しい振る舞いに、あなたへの信頼度が高まるのです。
ナイフの刃、お箸の先は人に向けない
当たり前のことですが、ナイフの刃を相手に向けてはいけません。同じようにお箸の先を人に向けてはいけないのです。なぜ、いけないのでしょう。
人間は本能的に先の細いものを嫌います。なぜならば先の細いものを自分に向けられた時、相手から攻撃的に感じられるイメージを持ち、恐れるのでしょう。相手のことを思えばその行為が失礼に当たることは理解できますね。
洋食の場合は、他のことはできなくても「刃は自分に向ける」ことに、とにかく集中しましょう。これは、それさえ出来れば失礼にはならないというくらい、とても重要なことなのです。
和食の場合も、お箸の先はお料理と自分の口を行き来するものであり、それを人に向けることはとても品のいい食べ方とは言えません。
ここでも、周囲への美しい心づかいの表れであることがわかると思います。
正しいお箸の持ち方
食事に入る前に大事な所作として、お箸の持ち上げ方も大事になります。自然な動きができていますか?一緒にやってみましょう。
右手でお箸を持ち上げ、左手で下から受けます。それから右手を持ち換えます。
箸置きに戻す時は、今の動作の逆になりますよ。
ナイフやフォークはお料理の上に置かない
食べている途中にナイフとフォークを置く場合、置き場所がないからとお料理の上に置くのはタブー。お料理を作っていただいた方に失礼ですね。お皿の上に置くようにしましょう。
また、刃先をぶつけた金属音は、聞く人を不愉快にします。気をつけましょう。
フォークを左手から右手に持ちかえて食べる動作を、「ジグザグ持ち」と言いますが刃が何度も行き来するのは、見ていてスマートではありません。基本的に相手に不快を与えない食べ方を意識するとよいでしょう。
和食は懐紙を受け皿として使う
懐紙を受け皿代わりに使いましょう。日本では昔から懐紙を懐に入れ用途に合わせて使ってきました。懐紙は「ふところがみ」とも読むように、懐に入れて持ち歩くための小さな二つ折りにした和紙のこと。
昔の貴族たちはいつも懐紙を携帯して、和歌や手紙を書いたり、お菓子を取ったり、口元を拭いたりしてきたものです。現代でも、メモ代わりに書いたり、心づけやふいにお小遣いや相手への支払いなどでも、さっと包んで渡すことも出来ます。無駄のない、さりげない所作は素敵ですね。便利なのにつつましやかな懐紙は、まさに日本の美しい和美人の象徴。
お茶を習っている方ならよくご存じと思います。懐紙をさりげなく手に持ち添えながら食べる所作は、特にお着物の方には美しい食べ方と言えるでしょう。手で受けるのは「私はこぼしながら食べます」と示しているようなもの。これもやりがちなので注意しましょう。
料理の邪魔になる「音」や「香り」に注意する
食事の邪魔になるものの代表は「音」でしょう。くちゃくちゃと口を開けて食べる音や、カチャカチャ食器の音。また、スープやパスタのすする音も注意です。
「音」以外にも気をつけたいものは「香り」です。香水の匂いは本人はなかなかわからないものですが、強い香りはせっかくのお料理のほのかな香りを消してしまいます。公共機関を利用したり、人の中に入る際にも気をつけたいマナーのひとつ。香りも好みがありますので、控えめにしましょう。
音を立てないようにと、思えば思うほど緊張して、余計に音を立てることも多いです。普段から音に気をつけながら食べる習慣を身につけると良いですね。何事も普段からの練習です。少しずつ慣れて美しく流れる様な動きができてくることでしょう。
悪口も場の空気を悪くして、お食事の邪魔になります。会話は誰もが参加できるようなお話を提供しましょう。同席者を不快にさせないことこそ「マナーの基本」ですから。
食べ終わった後の食器も美しく
お料理は「目」でも楽しめるように出来ている美しい料理人の心の作品です。盛り付けの景色をあまり崩すことのないように食べたいものです。
そして、自分が食べているお皿も同席者は見えています。美味しく美しく食べたいもの。
好きなものから食べるというより、手前側から手を付けるようにするだけで、美しく見えます。ステーキなどは左側から一口分だけ切り分け、いただきましょう。
お刺身のワサビもお醤油に溶かず、お刺身の方にワサビをつけていただきましょう。見た目にも味にもおすすめです。
最後が美しいだけで、あなたの印象はぐっと評価されるでしょう。それくらい食べた後のお皿には余韻があり「綺麗に食べる人だな」という印象を与えるものなのです。
尾頭付きの焼き魚も綺麗に食べると、料理人も喜びますね。命をいただいていることを忘れてはいけません。「いただきます」「ごちそうさま」をしっかり言える人は上品な人と言えるでしょう。
お店を出る際の理想の立ち居振る舞いは、お店の方にしっかりと感謝を伝えましょう。「美味しかったです」とあなたの素敵な笑顔も忘れずに。
また、お会計もスマートに。お店の方のご迷惑にならないような振る舞いをしたいものですね。
食べ方ひとつで印象が変わる。まさに食べ方は「生き様」
日本は瑞穂の国。お米は私たち日本人の大切なパワーフードです。一粒残らず丁寧に食べていますか?
この、ご飯の食べ方ひとつ見ても、その人の生き方が見えてくるものなのです。
たとえば、いくらご飯粒が残らないようにと言っても、あちらこちらに残ったご飯粒を、せっせととっては口に運ぶ動作に品があるでしょうか?食べている時から綺麗になる最後を想像しながら食べていますか?
ただ、残さなければいいという行き当たりばったりな、短絡的な考えはないでしょうか。もちろん、残してしまうよりはいいのでしょうが、それも、残しそうならはじめに「少しで」と伝えればいいことで、お店への気づかいも大事になります。
最後に綺麗な器になるように食べるには、食べている途中から美しく食べ終わるための食べ方をする必要があります。たかがご飯の器一つにも、その人の考え方、生き様がわかるのです。
毎日食べる食事だからこそ、心を込めて丁寧にとるようにしたいですね。習慣は生活になるから。
生きることは食べること、食べることは生きること、なのです。
美しい食べ方になると人生が変わる
なぜ?美しい食べ方になると人生が変わるのでしょう。答えは簡単です。
周りへの心配りができる人は、コミュニケーション力がアップします。すると、人間関係がうまくいき、自分に自信がついてきます。そして丁寧な暮らしで自分も他者も大事にするからです。
そうなると、どんどん運気も上がり、結果的には幸せになるのです。
美しく食べる人との食事の時間は楽しいです。綺麗な食べ方をすると、「また連れていきたいな」と一緒にあなたを連れて行った人も幸せになります。
急にお誘いを受けても落ち着いて食事ができます。
高級なお店に行っても、緊張しないでお料理を楽しめるようになります。
丁寧な暮らしは、心が穏やかになり自分にも他者にも優しくなれます。
食事を美しく食べるだけで、こんなに素敵な自分になれるのです。
マナーというと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、本当のマナーとは品格、人間力をつけるために絶対に必要なものだと私は思います。
物腰が柔らかく丁寧な言葉づかい、そして自分から笑顔で心からの挨拶。それが「美しい人」です。
「美しい」とは、「普通」よりも常に一つ上の状態ということ。
あなたも本物を手に入れませんか?
新潟のマナースクール「マナクル」でも、
お食事のマナー講座や各種マナー講座を実施中。お気軽にお問合せください。
国上 日月カフェにてミニ講座
敷居の低~いマナースクールですので、気楽にご相談くださいね。
大切なあなたが幸せでありますように。
新潟のマナースクール「マナクル」
なでしこ和美人越後代表 前山豊子